企業の任意整理の種類

企業が行なう任意整理には、目的によって二つの場合に分かれます。会社の再建を目指す再建型と、会社の清算をする清算型です。
会社の再建を目指す再建型は、債務を一部免除してもらったり、返済期間を延長してもらったりしながら、再建計画に従った事業の継続や返済を行なっていくことです。再建型の任意整理を行なうときには、様々なトラブルも発生する可能性がありますし、再建計画や債務の返済計画の内容が複雑化していきますので、代理人として弁護士を立てるだけでなく、公認会計士や税理士とも協力し合っていくことが、再建型任意整理を成功させる重要なポイントです。代理人が決まったら、再建型の任意整理も個人の場合と同様に、債権者に再建型任意手続きを行なう予定であることを通知します。そして債権者に再建届出を出してもらい、債権額を確定させます。そして同時に、会社が倒産状態に陥った原因の分析を行ない、ここから事業内容の変更や変遷、資産の一部売却や人員整理などが含まれている再建計画を作成します。この再建計画を作るのと同時進行で、債務の返済計画も立てていかなければなりません。この再建計画と返済計画が、債権者に説明する上で説得力のあるものになっていないと債権者の同意を得られませんので、客観的に実行可能な再建計画や返済計画であり、しかも公平平等であるようなものにしなければなりません。もし債権者から任意整理の同意を得られなければ、法的な手続きへと切り替えなくてはならなくなります。任意整理は、法的整理と違って債権者全員が再建計画や返済計画に同意しない限り、任意整理の完了とはならないのです。ですから、再建計画と返済計画は、非常に重要なものになります。任意整理の同意を債権者から得られたら、その計画を実行に移すのみです。
一方、任意整理に清算型は、会社の財産を換価して、それにより債務を返済しようというものです。ただ再建型任意整理と異なるところは、清算型任意整理は、再建計画や返済計画を立てるのではなく、そのときの会社にある財産すべてを換価、回収させ、それを債務の返済に充てることで債務を0にしようとするものです。ですから、清算型任意整理を行なった後は、企業は存在しなくなります。清算型任意整理では、代理人に債権者と交渉してもらう内容としては、債務を圧縮させ、そのときの換価、回収したもので債務をまかなえるようにしてもらうということが重要なポイントです。ですから、一部財産を隠して清算的任意整理を行なうのは、絶対にしてはいけない行為のひとつです。もし清算型任意整理をする際に一部財産を隠したまま行ない、それが後に明らかになったとしたら、債権者は任意整理を無効にすることも出来ます。清算型任意整理は、実質上破産手続きと同様ですから、債権者としては、法的整理である破産手続きの方が、公平感や安心感を得られやすいものです。ですから、清算型任意整理を行なう上では、債務者からの同意が取り付けられるよう、企業は真摯な態度が求められます。そうでないと、債権者は同意してくれず、結局は法的整理をとるしか方法がなくなってしまうことがあるからです。

再建型任意整理にしても、清算型任意整理にしても、重要なのは債権者からの同意を取り付けることです。いったん信頼をなくすような、返済を変えて欲しいという依頼をしていくわけですから、同意を取り付けるまでにはそれなりの大変な苦労があるということは、覚悟しておかなければならないでしょう。